行政書士の新規分野参入のための調査方法

[記事公開日]2017/01/09
[最終更新日]2017/01/10
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行政書士の新規分野参入のための調査方法

行政書士として開業したばかりの先生以外にも、新しい分野での申請代行をしようかと検討されている先生もいらっしゃると思います。

行政書士の仕事である申請代行と一言でいっても、ドローンや特区民泊のような「今までなかった新しい申請」と建設業許可申請や会社設立のような「既存の申請」の2つのパターンがあります。

今回は「既存の許認可」で新しく参入する場合の調査方法を考えてみましょう。

 

行政書士の許認可申請にはどんなものがあるのか?

行政書士の分野新しい分野に進出する場合、まずはどんな分野があるのかを知る必要があります。

私の場合、日本行政書士連合会の実施している統計調査を参考にしています。

日本行政書士会連合会では、5年に1度全国的な報酬額統計調査を実施しています。

平成27年度の報酬額調査結果は以下のリンクから見ることが出来ます。

平成27年行政書士報酬額統計調査

日本行政書士連合会 報酬額の統計

この表には285項目の許可申請に関するデータがあります。

それでは、この表を使って、私が新規分野に参入する場合にどのような点に注意しているのかをご説明したいと思います。

 

申請の名称をチェックする

データ分析まずは、どういった申請があるのかを一通りみます。

「建設業許可申請」が一番に挙げられているのは、まさに「建設業許可申請」こそが行政書士の仕事の中で一番代表的なものだからでしょう。

私の事務所では、建設業許可申請はあまり大々的に宣伝していませんが、年に数件は受任します。

建設業関連の申請に続いて、農地法や宅建法関連の許認可が挙げられています。

ここらへんも、かなり需要のある許認可申請だと言えます。

そのように285項目をざっと見て行きます。

中には「公正競争規約認定申請」のように、私は見たことも聞いたこともないような申請もあります。

本当に行政書士の業務範囲は裾野が広いなあと感じます。

 

回答者数をチェックする

回答者数のチェックどのような申請があるのかを見た後は、その仕事をどれくらいの人が受けているのかをチェックします。

この統計はアンケートに回答した行政書士だけしか掲載されてませんが、絶対数ではなく相対指標として、だいたいの推定をするには十分だと思います。

ざっくりと「回答者数=申請依頼の需要」と考えてみていきましょう。

建設業の法人・知事免許申請では、新規541、更新745と圧倒的に他の申請よりも多い回答者数になっています。

需要は大きくても競争も激しいのではないかと推測出来ます。

先程出てきました「公正競争規約認定申請」と見てみると、回答数は1件です。

これは競争は激しくなくても、需要があまり大きくなさそうだなと推測されます。

私の事務所が得意としている「旅館業申請」は21、経営管理ビザ申請は76となっています。

私の場合、50~150くらいのところを候補にする場合が多いです。

 

報酬額をチェックする

報酬額のチェック新規分野の仕事を始めるにあたっては、どれくらいの収益になるかの予測が非常に重要です。

士業の場合、仕入原価のようなものはほとんどありませんから、「報酬=粗利」に限りなく近いと言えます。

利益を多くするために報酬額を高く設定すると、なかなか受任が出来ないかもしれません。

逆に報酬額を低く設定し過ぎると、作業がこなせず沢山の利益があげられなくなってしまうかもしれません。

ですからきちんと「相場」を調査する必要があります。

報酬額統計調査表では4つの重要なデータが掲載されています。

以下の4つの指標を組み合わせて「相場」を調べて、どの分野に参入するかの指標とするのがよいでしょう。

 

最小値

「最小値」というのは、回答の中で一番低かった報酬額の数値です。

建設業許可申請・法人・新規・知事を見てみると、3万円となっています。

この数値が低いほど、価格競争が激しい可能性があると推測できます。

 

最大値

「最大値」というのは、回答の中で一番高かった報酬額の数値です。

建設業許可申請・法人・新規・知事を見てみると、70万円となっています。

この数値が高いほど、高い専門性が要求される可能性があると推測できます。

 

平均値

「平均値」というのは、回答があった報酬額の合計を回答数で割った数字です。

調べたい申請の報酬額の相場がどれくらいなのかを知るための一つの指標になります。

建設業許可申請・法人・新規・知事を見てみると、138,779円となっています。

 

最頻値

「最頻値」というのは、回答があった事務所の中で、もっとも多くの事務所が設定していた報酬金額です。

自分の事務所の設定金額の参考になる指標です。

建設業許可申請・法人・新規・知事を見てみると、15万円となっています。

ちなみに私の事務所の建設業許可申請(法人・新規・知事)も報酬額は15万円に設定しています。

 

他の事務所のホームページをチェックする

サイトを分析新規参入する分野の候補を絞ったところで、この分野で活動されている他の行政書士の先生のサイトをチェックします。

「○○(許認可名) 行政書士」といったキーワードで検索すると、だいたいの場合、検索結果に数サイト出てきます。

この数を見て、実際に需要があるのか、またどのような報酬額に設定されているのかを確認します。

さらに「●●(地名) ○○(許認可名) 行政書士」のように、自分の事務所と同じ地域のサイトもチェックします。

この結果をみて、自分の営業範囲での需要と報酬額の相場を確認します。

 

許認可の詳細をチェックする

許認可の詳細をチェック行政書士として新しい分野の許認可申請を始めるにあたって、一番重要な事は「プロとして依頼者に満足して頂く仕事をする」ことです。

初めての分野は思わぬ落とし穴がある可能性があります。

関連法令を読み込んで、仲間の行政書士の先生に相談しながら、十分対応が出来るとなった時点で受任をするようにしましょう。

 

まとめ

まとめいかがでしたでしょうか。

行政書士の仕事は範囲が広いため、それぞれの強みを持った分野を確立する必要があると思います。

需要が高く競争も激しい分野を狙うか、需要は低くても競争が激しくない分野に特化していくか等、それぞれの考え方があると思います。

どちらにしましても、依頼者の人に満足してもらえるような知識を持って新しい分野に参入するようにしましょう。